──前回同じメンバーで座談会をしてから5年が経ちました。「変化」というテーマでなにかお話いただくとすると?

渡邉
一番大きな変化といえば、やっぱり関西支社への異動ですね。メインプロジェクトの大学案件が増えて、しかも規模もどんどん大きくなってきたので、各学校の異なるニーズに対応するために私が合流しました。そこから本格的に拠点としての形が整ったんです。それにしても、もう3年経つなんて……時間の流れが早すぎます(笑)。

桑原
そんなに経つんだね!最近も案件は増えてるの?

渡邉
おかげさまでコンスタントにご相談をいただいています。大学ごとに求められるものが違うので対応するのは大変ですが、その分やりがいも大きいですね。桑原さんはいま自治体向けのセキュリティ運用に関わってるんですよね?

桑原
いまは新しく導入されたセキュリティシステムの管理がメインだね。チームメンバーは4人。SIerの立場から自治体と密に連携しながらプロジェクトを進めてるよ。以前は大学案件だったから現場の雰囲気はかなり変わったね。

荒木
私は5年前と変わらず、自社開発サービス「3Qクラウド」の技術チームで、システム設計と運用の推進を担当しています。だからやっていること自体はあまり変わっていないかも(笑)。でも、最近は最前線で手を動かすよりも、プロジェクト全体を俯瞰したり、人材育成に意識を向けることが増えてきました。

渡邉
最近の若手メンバーを見ていると、「失敗したくない」という気持ちが強い人が多い印象があります。僕自身も昔はそうだったのでよくわかるんですが、「完璧に仕上げないと人に見せられない」と思い込んでしまう。でも、実際は「30点でもいいから、まず出す」ことが大切なんですよね。

桑原
そうそう。アクションを起こさないと0点のままだけど、出しさえすればフィードバックをもらえて、30点を70点にするための修正ができる。私たちリーダーの役割は、その足りない40点分を一緒に埋めていくことなんだと思っています。

荒木
まさにそうですね。うちの会社が大切にしている「拙速(せっそく)」の考え方を、あらためて意識するようになりました。リーダーの立場になると、メンバー時代とは違って、誰よりも早く状況を把握し、判断しなければならない。そのためにも、「まず出す」「早く直す」を徹底することが重要なんです。

――お二人もリーダーになってから、視点が変わったと感じますか?

渡邉
そうですね、特に「変化への対応力」を意識するようになりました。この業界は技術やニーズが日々変化していくので、柔軟に対応できることが求められます。そのためにも、チームの声をしっかり拾い上げ、働きやすい環境を整えることを大切にしています。

桑原
わかる!メンバーが安心して相談できる環境を作ることがとても大切。特に、不安を感じている部分を早めにキャッチして、適切にサポートすることを意識しています。そうすることでチーム全体が円滑に動けるようになりますし、個々の成長にもつながると思います。

荒木
私も個人の苦手な部分を無理に克服させるのではなく、チームで補完し合うことを意識するようになりました。だからこそチーム全体として目指すべき方向を明確に示すことが、リーダーとしては重要なんじゃないかな。

桑原
私は教育や人材育成において、エンジニア一人ひとりがどこを目指せばいいのか具体的に伝えるようにしています。未経験のメンバーが入社することも多いので、SEとして必要な基本知識やシステム運用のポイントを最初にしっかり教えることを心がけていますね。

荒木
最初に目指す方向が明確になれば、その後の成長もスムーズになりますよね。新しい技術を学ぶことももちろん大事ですが、まずは基礎をしっかり固めることが、結果的に成長につながるのではないかと思います。

──エンジニア未経験の方や、経験が少ない方が活躍するために必要なことって何だと思いますか?

荒木
技術的な知識ももちろん大切ですが、それ以上に「コミュニケーション力」「聞く力」「自分の意見を伝える力」といった基本的な社会人スキルが重要ですね。正直、それさえあれば大丈夫だと思います。技術はあとから学べますし、実務を通して自然と身についていくものですから。

桑原
同感です。それに加えて、「課題や問題を一人で抱え込まないこと」も大事ですね。私たちはチームで仕事をしているので、壁にぶつかったときは、遠慮せず上司や同僚に相談してほしい。チーム全体で解決策を見つけて、一緒に乗り越えていくことができれば、成長もスピードアップします。積極的に意見交換することで、新しい視点が得られることも多いですしね。

桑原
それに、未経験メンバーの成長って、私たちリーダーの成長にも直結すると思いません?(笑)業界の最初の一歩を誰と一緒に歩むかってすごく大事だと思うんです。

渡邉
まさしく! だからこそ、これからはマネジメント層の育成も重要になってきますよね。ただ単に人を増やすのではなく、次のリーダーを育て、チーム全体の質を上げていければ未経験者も安心して成長できますし、会社としての競争力も高まるはず!

──最後に、これからの目標を教えてください!

渡邉
大阪支社の場合、現在一人ひとりの負担が偏りがちなのでそこを見直す必要があります。いかに業務を適切に分担し、自分がさらにマネジメントできる範囲を広げていくかがカギですね。特に、小~中規模の案件を私が率先して管理できるようになれば、関西チーム全体として対応できる案件の幅も広がり、工数の調整もしやすくなるはずです。

荒木
チーム全体で改善サイクルを回し続けることで、個々の成長だけでなく、組織全体の成果が最大化していきますからね。

桑原
一人ひとりのスキルアップをサポートすること、そして次世代を担う人材を育て、より強固な組織を作ることが重要だと考えています。若手が安心して挑戦できる環境を整えることは、リーダーとしての大きなミッションですよね。ミスを恐れず挑戦できる環境こそが、次世代のエンジニアを育てるカギになるんじゃないかな。

渡邉
ITのいいところって「理屈がある」という点だと思うんです。技術力だけでキャリアを築くのは難しいかもしれませんが、エンジニアになりたてのころってまずは技術力を磨くことに夢中になりますし、それが周囲からの期待にもつながりますよね。

桑原
コミュニケーション力のような抽象的なスキルも重要ですが、まずは「技術を積み重ねていくこと」が、エンジニアとしての自信につながると思います。地道な学習の積み重ねがあるからこそ、成長プランを描きやすいのかもね。

荒木
その成長を後押しするためにも、「スピード感を持って成果を出す文化」をリューズにもっと根付かせていきたいです!メンバーが恐れずにアウトプットできる環境を作ることで、挑戦を促し、成長を加速させる──そういう環境を整えていくことが、私たちの役割だと思っています。